おおよそ2年くらい前、湯来でお世話になっている方のお父さんが彫られた能面展に出向いた。もともと海田に住んでた頃熊野神社のお祭りで鬼が出ていてその鬼をからかったりして追っかけられたりして怖い思いをした。その頃から鬼や天狗などのお面には興味があった。話は戻ってその能面展で目の当たりにした能面達、それが何とも言えない存在感を放ってるのだ。一つ一つにとてつもないエネルギーを含んでいて作者の魂を感じるそれだった。それを作られた意図は僕にはあまり関係がない。それより今この自分の目の前にある能面が自分に与えてくれる力…表現しにくいものを感じたのである。そしてその中でもダントツ心に響いた一点があった。それを見た瞬間これはいつの日か時が来た時我が工房に置きたいと…その魂を少しでも自分のモノづくりに活かしたいと思った。そして2年越しでやっと我が工房に来たこの能面。それがこの存在感ゆえになかなか位置がきまらない。置いては変え置いては変えしてやっと自分の納得する場所がみつかりました。そこに掛けた瞬間辺りの空気が一変鍛錬に力が入る感覚を覚えた。人が見てどうとかって言うのは自分にはどうだっていい事だ。自分自身が仕事に打ち込めることができる空間がこれまで以上にできたと思っている。これから一生この能面を大事にしてゆきたいと思う。


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